2015年8月16日日曜日
Crown Athlete Turbo
"いつかはクラウン"
いま話題の某デザイナーの作品の一つである"TOYOTA Re BORN"をバックに佇んでいるピンクの乗用車。
トヨタが1955年より生産している高級車、クラウンの14代目。通称210系です。
210系クラウンは2012年12月に先代に当たる200系からフルモデルチェンジをし、既に2年以上経過しています。
クラウンは法人利用も少なくなく、またロングセラーモデルということもあり非常に販売台数の多いクルマです。
近年自動車のモデルサイクルが長くなったにも関わらず、現在でもおおよそ4年一回フルモデルチェンジを繰り返しているまさにトヨタのフラッグシップモデルであります。
ちなみに4年でフルモデルチェンジの理由には、1988(昭和63)年7月以前の車検制度が関係していました。
現在は新車登録から初回の車検までは3年ですが、'88年6月30日までに登録された自家用乗用車であれば新車、中古車に関わらず2年でした。
その為、おおよそ発売から2年でマイナーチェンジ、4年でフルモデルチェンジを行えば車検を理由に自動車が売りやすくなるという営業的観点からこのモデルサイクルが生まれたようです。
もちろんクラウンのように販売台数が見込めるクルマの場合、多額の費用を投じて新型車を投入することは利益に繋がりますが、近年、若者のクルマ離れや不況等で新車販売台数が落ち込んでいる事に加え、初回車検までの期間が3年に伸びた等の理由からモデルサイクルも伸びていったように考えられますね。
このモデルサイクルを今でも守り続けているクラウン、前述の通り発売から2年以上経過している210系にもマイナーチェンジの話が飛び込んできています。
来る10月1日、デザインの小変更、ボディカラーの追加に加え、搭載エンジンの変更等のマイナーチェンジが予定されているようです。
現在の210系クラウンのエンジンラインナップは2GR-FSE、4GR-FSEの排気量の異なる二つのV6と、ハイブリッドモデル用の2AR-FSEの直4という2種類3排気量となっています。
3,500ccの2GR-FSEはアスリートに、2,500ccの4GR-FSEはアスリートとロイヤル、ロイヤルサルーン、そして2,500ccの2AR-FSEはアスリートハイブリッド、ロイヤルハイブリッドに採用されています。
今回のマイナーチェンジでは2,500ccのアスリートに採用されている4GR-FSEが、現在レクサスNX200tやIS200tに搭載されている8AR-FTSに変更になるようです。
この8AR-FTSというエンジンは2,000cc直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンという小排気量ターボエンジンであり所謂"ダウンサイジング"となるわけですね。
この8AR-FTSの搭載されているNX200tはFF横置きレイアウトですが、その後に発売されたIS200tはFR縦置きレイアウトとなっており、そのユニットがほぼそのままクラウンにも搭載される事となりそうです。
またトランスミッションもIS200tに搭載されている8速SPDS(Speed Sport Direct Shift)が採用されるようです。
最高出力は235ps/5,200~5,800rpm
最大トルクが35.7kgm/1,650~4,000rpmと数値だけ見ると、3,500ccの2GR-FSEにも匹敵するパワフルなトルクが印象的ですね。(2GR-FSEは38.4kgm/4,800rpm)
またターボ専用に開発されたD-4STに加え、より可変範囲の広い連続可変バルブタイミング機構VVT-iWを採用したことにより、JC08モード燃費は13.4km/L(IS200t)をマーク。
6月に追加された同じく2,000ccターボの日産のスカイライン200GT-tとまさに同クラスとなりますね。
こちらのスカイラインも"スカイライン2000GT"の復活と巷で話題になりましたが、クラウンのターボも170系の1JZ-GTE搭載モデル"アスリートV"の生産終了以来、12年ぶりの復活となります。
またマイナーチェンジでトヨタのスポーツカーブランドである"G's"も新たにラインナップに加わるようです。
現在販売されている主にプラットフォーム等を共有しているマークX G'sとチューニングメニューはほぼ同じとなりそうですね。
エクステリアも他のG'sモデル同様、専用のLEDランプやホイール等があしらわれ精悍なフォルムとなっています。
マフラーもやはりマークXのような4本出しとなるのでしょうか。
ちなみにこのマイナーチェンジによって2003年発売の180系からラインナップされ続けてきた、アスリートのV6 2,500cc 4GR-FSE FRモデルは消滅してしまいます。(4WDは継続生産)
"ゼロクラウン"の登場から早12年。
高級車の代名詞的存在でもあるクラウンも、また一つ時代の流れで大きく変わりそうですね。
ターボエンジンはかつてのハイパワーだけが取り柄のイメージとは打って変わり、今や小排気量ターボエンジンこそ環境にも良く、燃費の向上にも一役買っているというまさにガソリンエンジンの行き着く先でもあります。
サイズは小さく、しかしパワーが大きく、重量も軽く、燃費も良い、むしろ大排気量エンジンの方が劣っているのは明確ではありますが、自動車のステイタス性という面から見ると、大排気量エンジンには大排気量エンジンの良さがありますよね。
今後国産車もダウンサイジングターボエンジンのクルマが増えて行く事と思いますが、どこか寂しさも感じてしまうのは私だけでしょうか。
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